
サンデーGX(小学館)にて連載中の『薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳』。
作画は倉田三ノ路さんで、原作・日向夏さんと、キャラ原案・しのとうこさん。
「小説家になろう」に投稿され、RayBooks、ヒーロー文庫で刊行されたライトノベルのコミカライズ版。
ねこクラゲさんの作画でビッグガンガン(スクエア・エニックス)でも同時にコミカライズされています。
後宮に下女として売られてしまった薬師・猫猫。
中華風の後宮を舞台に、薬師としての知識を生かして猫猫が様々な事件の謎を解決していくミステリーとちょこっとラブっぽいお話。
目次
以下ネタバレあり
簡単あらすじ
人攫いに遭い後宮に売られ下女となった猫猫は年季が明けるまで大人しく仕事をしようとしていた。けれど薬師としての好奇心を抑えられなかった結果、玉葉妃の侍女となり、薬の知識を生かして様々な問題を解決していく
登場人物
猫猫(まおまお)
- 人攫いに遭い後宮勤めとなる
- 養父は花街で薬師をしている
- 毒マニア
- 色々試し過ぎて少量の毒なら効かない
壬氏(じんし)
- 後宮を監督する宦官
- 超絶美形
- M気がある
玉葉妃(ぎょくようひ)
- 上級妃の一人
- 皇帝の娘を生む
- 翡翠宮の主
高順
- 壬氏の従者の宦官
- 宦官らしくない体格
- 何かと気が利く
- 猫猫を小猫(しゃおまお)と呼ぶ
太医(せんせい)
- 後宮の医局勤め
- やぶ医者
- 猫猫の腕を買っている
その他の登場人物
梨花妃(りふぁひ)
- 上級妃の一人
- 東宮を生むが亡くしてしまう
- 水晶宮の主
皇帝(こうてい)
- 茘の皇帝
- 巨乳好き
- 先帝(父)は幼女趣味
鈴麗(りんりー)
- 梨花妃の娘
- 公主
- 病に罹るが何とか持ち直す
小蘭(しゃおらん)
- 下女
- 噂好き
紅娘(ほんにゃん)
- 玉葉妃付き侍女頭
愛蘭(あいらん)
- 玉葉妃付き侍女
桜花(いんふぁ)
- 玉葉妃付き侍女
貴園(ぐいえん)
- 玉葉妃付き侍女
芙蓉妃(ふようひ)
- 中級妃
- 属国の第三公主
- 2年前に輿入れされる
詳細あらすじ
薬草集めをしていた猫猫はある日、人攫いに遭ってしまう。
身代金代わりに売られた場所は、二千人の官女と千人の宦官を擁する宮殿。
街に匹敵する規模のその宮は、皇帝のみに用意された
美しき瘴気渦巻く女の園、後宮だった。
攫われて三か月が経ち、すっかりと仕事になれてしまった猫猫。
元の生業である薬師としての仕事が出来ないことを残念に思いながらも、真面目に二年働けば年季が明けると考えていた。
そんなある日、食事中に猫猫は東宮も公主も病気であるという噂を耳にする。
もう三人も皇帝の御子が亡くなっている上に東宮、公主に加えて東宮の母である梨花妃も病気だと言う。
呪いだと騒ぐ女官の話を聞きながら、猫猫は頭に浮かぶ「呪い」「毒」「病」のキーワードにうずうずするのを抑えきれないでいた。
結局、猫猫は好奇心に勝てずに噂話をする女官───小蘭に声をかけるのだった。
詳しい話は知らないと言いながらも小蘭は東宮も公主もだんだん弱っていったという話をする。
そして症状は、頭痛に腹痛、吐き気もあるという。
その症状に思い当たる節がある猫猫だったが、予測だけで判断はできないと口実を作って妃のいる宮に近づいたのだった。
その途中、猫猫は広場で妃2人が争うのを見た。
公主の母・玉葉妃を平手打ちする、東宮の母・梨花妃。
梨花妃は、自分が娘を産んだから男子を呪い殺す気だろうと攻めるが、自身の娘・小鈴も同じように苦しんでいると言い返す玉葉妃。
そして医師に自分の娘を見て欲しいと頼むのだった。
それらを見ていた猫猫は、梨花妃の覚束ない足元、不自然な肌の色に連続不審死の原因を確信する。
さて、どうして知らせようかと思いめぐらせながら猫猫はその場を去るのだった。
そうして、とある宦官とすれ違い、「何か書くものを」というひとり言を聞かれた事には気付かなかった。
その一か月後、梨花妃の子は好転することなく身罷り、玉姫妃の子は無事に持ち直した。
そして梨花妃もまた病床にあるという。
何故、公主・小鈴は無事に持ち直したのか。
その理由を訪ねに来た宦官に玉葉妃はある書き付けを見せる。
医官に娘を見てくれるように頼みに行った日、石楠花の枝に結んで窓辺に置かれていたという書き付け。
それに従ったら良くなったと玉葉妃は言う。
この文の主を見つけたらお礼をしたいと言う玉葉妃に、その宦官は必ず見つけねばと呟くのだった。
突如、宦官長の部屋に呼ばれた猫猫は、似た顔立ちばかりの者が集められている事に気付く。
そして宦官長と共にいる宦官に周りの女官たちが黄色い声を上げる。
絹糸のような神、優美な曲線の輪郭。
切れ長の目に柳の眉。
皆が天女と讃える───壬氏だった。
壬氏は集まって貰ったのはこういうわけだと一枚の紙を見せた。
そこに書かれた「そばかすの女。お前は居残りだ」の文字に一瞬反応を見せてしまった猫猫。
そのまま解散だと言われた言葉に他の女官たちが部屋を出ていく。
慌てて猫猫も皆に続いて出ようとするが、その前に壬氏に捕まってしまった。
”そばかす女”だけを集めた中で、見せられた紙に反応したのは猫猫だけ。
他の下女は皆文字を読むことは出来なかったのだ。
嵌められたと思いながら壬氏に連れていかれたのは、玉葉妃の元だった。
猫猫を前にして頭を下げる玉葉妃に猫猫は慌てる。
しらばっくれようとする猫猫だが、書き付けに使われた布が下女の仕事着の布だと指摘され(少し脅され)観念した。
そして何故、書き付けにある様に「おしろいが毒」だと分かったのか尋ねられ答える。
猫猫の養父は花街で薬師をしており、妓女の中にも同じ病にかかった者が居たという。
問題のおしろいには鉛が含まれており中毒症状が出る。
養父の言葉を聞かずに使い続けた妓女は、梨花妃の様にやせ細って死んだという猫猫。
話は済んだと部屋を出ようとするが、恩人をただで帰すわけにはいかないと捕まってしまう。
そうして猫猫は玉葉妃の侍女となるのだった。
玉葉妃の毒見役となった猫猫は他の玉葉妃付きの侍女達にとても過保護に扱われていた。
なんでも、以前の毒見役は混入されていた毒で手足に麻痺が残ったのを目の当たりにしたという。
そして猫猫の左腕に巻かれた包帯。
その包帯の下にはたくさんの傷があり、そんな猫猫を毒見役にするなんて可哀想だと思っているらしい。
けれど、実際にその傷は全て猫猫自身が毒や薬の効果を試すために自身で付けたものだった。
ある日、玉葉妃に呼ばれた猫猫は壬氏から包子の毒見を頼まれる。
匂いを嗅いだだけで催淫剤入りと分かった猫猫は、健康に害はないので安心して頂いてくださいと壬氏に返す。
相手は男だ、安心できるかと言う壬氏は、そのまま猫猫に媚薬を作って欲しいと頼むのだった。
何のためなんてどうでもいい。久しぶりに薬が作れることに歓喜した猫猫はその申し出を快諾するのだった。
夜、書簡を従者の高順に渡す壬氏。
そこには壬氏を誘った4人の者の名前が記されていた。
実は壬氏は、皇帝への忠誠を量る試金石として後宮に送り込まれていたのだった。
使えるものは何でも使うという壬氏は猫猫に対しても色目の1つでも使っておいた方がいいかと考えるのだった。
高順に連れられて医局を訪れた猫猫は、そこに置かれた生薬の数々に歓喜し小躍りするのだった。
カカオを使いチョコレートを作った猫猫はそれを壬氏に渡す。
そして壬氏は、思った以上に仕えるとほくそ笑むのだった。
半月前に辺境の地で、食事中に気分が悪くなった兵士たち。
食糧を調達した村の者の仕業かと騒ぎになった。
村長は捕えられ、逆らった村人はその場で処刑。
ただ武官の間でも村人が毒を持ったと考える者と、確たる証拠もないのに処罰をするのは反対と訴える者で割れているという。
どちらが正しいのかという壬氏は、猫猫にどう思うかを尋ねた。
一つの意見としてと前置きした猫猫は活けてあった石楠花の葉を口に含む。
美味しいのと尋ねる玉葉妃に、吐き気や呼吸困難を起こすので真似しないでくださいと淡々と返す猫猫。
このように、後宮内でも毒性を持つ草木はあります。
石楠花は葉に、他に枝や根に毒を持つもの。
中には生木を燃やすと毒を発生するものも。
それを聞いた壬氏は、野営で集めた薪の材料やその場で作った箸に考えを巡らし進言すると言うのだった。
数日後、小蘭に東の城壁の上に幽霊が出ると猫猫は聞かされる。
その後に医局を訪れた猫猫は壬氏から「夢遊病」を知ってるかと尋ねられる。
知っているが薬で治せる類の病ではなく専門外だと告げるが、壬氏の視線に負けてやるだけやってみると答えるのだった。
夜、高順と東の城壁を訪れた猫猫は城壁の上で舞う一人の女性を見た。
彼女は、芙蓉妃。
2年前に輿入れし、皇帝と初のお目通りの際に得意の舞踏で失敗しそれ以降部屋に閉じこもっていたという。
城壁の幽霊の噂はここ最近出た話。
そして、ここ一月で芙蓉妃に変わった事と言えば功を上げた武官に下賜されると決まったくらいだという。
同郷の幼馴染で下賜は武官が強く望んだと言う高順の言葉を聞いて、小蘭の言葉を思い出す猫猫。
堅物武官が
突然望んだもんだから
みんなビックリしてさぁ。
まるで媚薬でも盛られたんじゃなかって───
堅物の武官。
媚薬。
幼なじみ。
下賜。
それらの符号が猫猫の中で一つになっていく。
猫猫がいた妓楼でも、身請け話が決まったばかりの妓女が夜な夜な徘徊していたという。
結局、徘徊の噂で身請け話が流れて、翌年の年季明けでその妓楼は晴れて自由になった。
おそらくは身請けが嫌で夢遊病になったという猫猫。
けれど芙蓉妃も下賜されるのが嫌だったのかしらという玉葉妃の言葉に、曖昧な返事をした。
芙蓉妃が後宮を出るのを見送りにいった玉葉妃は、芙蓉妃が幸せそうな顔をしているのを見る。
それを見た玉葉妃は猫猫に本当のことを教えてと頼むのだった。
憶測ですがと前置きして猫猫は言う。
実は妓楼ではもう一人夢遊病になった妓女がいた。
徘徊が噂になり、身請け話が破談。けれどこの妓女には、病でも構わないから身請けしたいという男が現れた。
けれどこれは詐欺で、病にかかって価値が下がった事により本来の半分の値で本命の男と添い遂げられた。
芙蓉妃も、武官と結ばれるのは下賜されるしか道がない。
その日まで皇帝のお手付きを避けるために舞踏の失敗を理由に引きこもった。
身ぎれいなまま下賜は決まったが、臣下に望まれた妃に皇帝が興味を持つ可能性がある。
万が一にも惜しいと思われないように芙蓉妃は夢遊病のふりをしたのではないか。
そんな話を聞いた玉葉妃は猫猫に芙蓉妃が羨ましいなんて言ったらひどい女かしらと尋ねるのだった。
太医の事をやぶ医者と思っていた猫猫だったが、なんだかんだと仲良くなり後宮内の松林に生えていた松茸を一緒に食べていた。
そこに呪いを解く薬を作って欲しいと一人の宦官が駆け込んでくる。
その宦官の手を見た猫猫はかぶれだと言う。
ゴミを焼く作業中に木簡をくるんだ焦げた女の服を火の中に入れた途端見たことない色の炎が吹き上がり、翌日には木簡に触れた手がかぶれた。
だから呪いだとい宦官に、その炎は例えばこんな色じゃ無かったかと火に塩を入れて見せる猫猫。
花火と同じ仕組みで火にかけると色が変わる物があり、それが木簡に付着していたのだろう。
その言葉を聞いて宦官は安心する。
そこに壬氏が現れ、色付きの炎で燃える木簡を作ることは可能かと尋ねる。
それに対して水に溶けるものであれば溶かして木簡にしみこませれば出来ると猫猫は返した。
そしてそのまま壬氏に連れられて翡翠宮に向かった猫猫は皇帝と対面し、梨花妃を診てやって欲しいと頼まれる。
殿上人の”診ろ”は”治せ”と同義
治せなかったら首が飛ぶ
壬氏に付き添われながら、梨花妃のいる水晶宮に向かう猫猫。
例の鉛白入りのおしろいが規制された事を確認する。
宦官たちが侍女の部屋も調べて買い置きの分まで没収したと聞き、それならもう梨花妃も回復してもいいと猫猫は考える。
せっかく猫猫が作って持っていた雑穀粥は梨花妃の侍女たちにひっくり返されてしまう。
そんな下賤なものは食べされられないと猫猫は追い出されそうになるが、そこに壬氏が現れて猫猫は中に入る事ができた。
眠る梨花妃の目蓋に触れた猫猫は粉っぽい感触にまさかと思い、傍に会った引き出しの中身を漁る。
そこから出てきたのは没収されたはずのおしろいだった。
病床にあっても梨花妃には綺麗でいてもらった、一番いい品だから一つだけ残しておいたという侍女。
そんな侍女の頬を猫猫は思いっきり叩いた。
何?
それはこっちが聞きたいよ。
この人殺し。あぁ悪い、まだ殺しては居なかったか。
これから、殺すところだった!!
そういって猫猫は持っていたおしろいを侍女に向かってまく。
よかったなぁ、これであんたも
梨花さまとおそろいだ。
毛穴から鼻から口から、
鉛の毒が回るからな。なんでこのおしろいが禁止されたと思ってる!
毒だっつってんだろ!!ごてごて盛ったメシを食わせて
部屋を閉め切り、
あまつさえ毒入りおしろいを使うとは!お前ら自分の主人を殺す気か!
本当に殺したくなきゃ
その汚いモン洗って掃除しな!
終わったら換気、
メシは私が作る、
いいな?さっさとしろ!!
そう水晶宮の侍女たちに怒鳴り散らす猫猫を見た壬氏は、女ってやつは恐ろしいなと呟くのだった。
やりすぎてしまったかもと思いながら、猫猫は梨花妃に重湯を食べさせる。
そうして壬氏に語んな蒸気風呂を作って欲しいと依頼するのだった。
鉛の毒は体内に溜まるので、それを輩出させるのが大事。
お水で小水の頻度を上げ、蒸気風呂で汗からの排出を助けるという。
その話を聞いた梨花妃はどうして死なせてくれないのかと涙を流した
さきほど重湯を飲み込まれました。
脈もちゃと打っております。
梨花さまは生きたがっておられます。生きたがっている者を支えるのが、
薬屋の仕事ですから。
そうして本格的に治療が始まった。
梨花妃は徐々に回復をしていってるが、それに反して猫猫は水晶宮の侍女たちからはバケモノに遭ったかの様な扱いを受けていた。
それでも2か月後には梨花妃の顔色もだいぶよくなり、猫猫は翡翠宮にもどる事になる。
私にはもう子はなせないのかしらと問う梨花妃に試してみたらいいという猫猫。
玉葉妃には勝ち目がないという梨花妃に、妓女から聞いた技を耳打ちした。
数日後の翡翠宮で、玉葉妃に最近皇帝が水晶宮に通う理由を聞かれた猫猫はそしらぬふりをするのだった。
感想
試し読みして面白かったんですが、ビッグガンガンのと2種類あってちょっと悩みました。
ビッグガンガンの方がちょっと絵が華やかで猫猫が幼く見えますね。
何となく絵柄的にサンデーGXの方が好みだったのでこちらで。
皆が惹かれる美貌の持ち主である壬氏と、その笑顔向けられてナメクジを見るような眼をする猫猫のコンビが面白くて好き。
それにちょっと光悦としてしまう壬氏さんもね。
色目の1つでも使っておいたほうがいいかって考えるけど、全く効いてないでやんの。
後、猫猫の豹変ぶりと。
普段と素が出た時の落差がさぁ。
猫猫だけに猫かぶりがスゴイ。
そしてあれを女ってやつは怖いなの一言で済ましちゃう壬氏さんもスゴイケド。
媚薬作ってって言われて薬師が作るのがチョコレートっていうのも現代の感覚だとちょっと面白い。
そういやチョコってそうだよね。ってなる。
やぶ医者やぶ医者って言いながら太医とも仲良くなっちゃうのちょっと可愛いな。
後、薬草類を前にした時のテンションの上がり方。
どんだけ薬師としての仕事が好きなのさ!
ちょっとマッドサイエンティストちっくなトコあるし。。
とりあえず、妓楼冗句はたぶん妓楼でしか受けないと思った。
そして薬師としてだけじゃなくて妓楼で聞いた知識もしっかりと役立てていらっしゃるwww
はぐらかしたけどきっと玉姫さまには気づかれてるんだろうなー
話しもテンポよくサクサク読めて楽しいです。
壬氏に対しての猫猫の顔の崩れっぷりが見てて一番楽しいかもしれないけれども。
色付きで燃える木簡の謎を残したまま、2巻が待ち遠しい!
猫成分
☆☆☆☆☆
主人公は猫猫だけれども・・・
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